《捨てられない》

おうちのお片付け。


さあ、やろう」



…と、意気込んでゴミ袋を持ってみるものの、一向に片付かない。どうしてだろう…


売ろう!と決めた本は「最後に一回だけ…」と読みふけってしまうし、もう遊ばなくなって飾ってるだけのおもちゃも、捨てようとゴミ袋に投げ入れてはどうしてもそのつぶらな瞳に惹かれてしまってまた抱きしめてしまう。


物が捨てられない。


所謂、片付けが下手くそってやつ。


忘れていた思い出も、その子を見ると当時の気持ちとか、悩んでたこととか、レジで自分のものになった時の高揚感とか…全てを思い出してしまう。


その思い出も、モノを捨てることによって永遠に記憶から抜け落ちるんだろうと思うと何かとてつもない禁忌を犯してる気になってしまい、捨てられない。


どうやったら、過去とバイバイできるのかな…


辛いもの、苦しいもの、哀しいもの、忘れてほしいものはなかなかバイバイできないのに、楽しいもの、幸せなもの、嬉しいものはそう言った何かが無ければ忘れてしまう。


ひどいなぁ…



私、もっと楽しいこと、いっぱいあるはずなのに…


でも、こうやって記憶からずり落ちた分、新たな幸せをインプットできるから、きっとバランスよく幸せを感じられているのかもしれない。


難しいなぁ…



とりあえず、この思い出の海となってしまった床の底の景色が、明日にはさっぱりとした浅瀬になっていますように。。。